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マーラーのleylaのレビュー・感想・評価

マーラー(1974年製作の映画)
3.8
鬼才ケン・ラッセルが手掛けるマーラー。ケン・ラッセルなのでまともな自伝ではなく、奇想天外でカルトチック。映画でないとできない表現で、伝記として面白かった。

1911年、NYからウィーンに戻る列車の中、マーラーが過去の回想をする。妻との若い頃、子供時代、弟の自死、子供の死など、史実に基づきながらも彼の苦悩や過去がシュールな妄想で彩られている。

『ベニスに死す』のアッシェンバッハとタッジオのニセ者が登場するシーンにニヤニヤ。
自分の葬式の妄想やユダヤ教からカトリックへの改宗劇のエキセントリックさがコメディ感があり、ケン・ラッセルの想像性がぶっ飛んでる。

偉大な作曲家は交響曲第9番を作曲すると死ぬというジンクスどおり、交響曲10番を未完成のまま亡くなったり、マーラーの曲は予言めいていて曲を作るたびに不吉なことが起こるなどのエピソードも興味深かった。

本気のマーラーファンにはオススメしません。
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