【虚飾に満ちた新人記者を描く】
アメリカ映画。
伝統ある雑誌編集部に勤務する若い記者がでっち上げの記事を書き、それが次第に暴かれていく様を描いています。
この映画のポイントは、詐欺やそれが暴かれる過程よりも、デタラメの記事をものした青年の性格描写にあります。社内の仲間への気配りを忘れず、しかし、或いはだからこそ嘘をつかざるを得ず、そうしたなか、人間関係を基盤にしてのし上がっていこうとする虚飾に満ちた主人公のようなタイプは、よく考えるなら我々の身近なところにもいるはずで、主演のヘイデン・クリステンセンが実にうまくその味を出しているのです。
彼が母校のハイスクールで成功者として後輩たちを前に記者の心得を語る枠部分も、最後に来てどんでんがえしがあり、構成の妙が光る作品ともなっています。