Momo

パリでかくれんぼのMomoのレビュー・感想・評価

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)
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動の映画。よく動き、よく移動する。
ルイーズはその長い足でパリを悠々と歩き、ニノンはバイクやローラースケートを乗りこなす。ひとときも目が離せなかった。
2人の女の子がキャッキャとロランのチキンを食らい、彼女たちの距離を縮めることになった当の男は除け者扱いになっている構成がなんとも気の毒で、この気の毒さ知っていると思ったらロメールの『パリのランデブー』だった。好きなわけだ。

自分が誰だかわからないと言っていたイダは確かに地に足がついていないような不安定な女の子だったけれど、それでもホットドッグ屋さんやアパートの隣の住民、レコード屋の店員さんとのやりとりに垣間見えるピュアさはとても素敵で、街と関わる姿が好きだとおもった。

この映画を観た後に、ミュージカル映画を観てみて気がついたのだけれど、カメラには体が向かない感じ、この映画ではあくまでそこにいる2人たちの言葉のやりとりの延長に歌と踊りが自然に存在していたんだな。そしてカメラの息遣いも含めすべてがチャーミングだった。

幾つかあるダンスシーンのうち、アトリエでのニノンとロランのダンスがとくに好き。
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