王冠と霜月いつか

レッド・ドラゴンの王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 1986年公開:刑事グラハム凍りついた欲望→改題レッドドラゴン・レクター博士の沈黙
と連続で観ましたので2作品を比べる感じでレビューを書いて参ります。

まず2作品とも、トマス・ハリスの原作『レッドドラゴン』の映画化作品です。

時系列でいうと、羊たちの沈黙のバッファロー・ビル事件の前、それまで犯罪心理学の専門家として協力を仰いでいたレクター博士が真犯人である事に気が付いたFBI捜査官:ウィル・グレアムが、銃撃戦の上に彼を逮捕するところから始まります。この時に負った傷の治療と、精神的なケアの為、FBIを退職していたグレアムを新たな事件=噛みつき魔=レッド・ドラゴン逮捕に協力させようと、元上司のジャック・クロフォードが、グレアムの元を訪れる所から本来のストーリーが展開し始めます。

刑事グラハム凍りついた欲望:以下『刑事グラハム版』(因みに、GRAHAMの読み方、グラハム?グレアム?問題がありますが、ローマ字読みだとグラハム、英語の音声を聴く限りでは、グレアムに聞こえます。昔はグラハムで、近年ではグレアムと表記するのが一般的のようですね。)では、Dr.レクター逮捕シーンはなく、いきなりクロフォードがやって来ます。カリフォルニアのビーチハウスでのんびりと平和に暮らしていたグレアムに現場復帰を要請します。妻は反対するも、グレアムは、クロフォードから懇願されると要請を受け入れてしまいます。この辺りは、2002年度版レッドドラゴン以下『今作』も一緒です。グレアムが犯行現場を訪ねてプロファイリングを始める流れは両方とも一緒です。

ほとんど一緒なんですが、決定的に違う点が3つ。

①Dr.“ハンニバル”レクターをSIRアンソニー・ホプキンスが演じているか、いないか?
羊たちの沈黙同様、犯人逮捕のヒントを得るため面談を行うグレアムですが、レクターを演じる俳優が違うとこれほど違うのか!と驚くレベルです。ちなみに、刑事グラハム版のレクター博士は囚人服を着た只のおじさんにしか見えません。
②レッドドラゴン=ダラハイドのキャラクターの掘り下げが、あるか、無いか。
③決着シーンの迫力。刑事グラハム版だと、ダラハイドが犯人だとわかるまではじっくり魅せてくれますが、いざ逮捕(というか銃殺)となると割とあっさり終わってしまいます。物足りない。ヒートのマイケル・マン監督ならもっと出来ると思うのですが…

映画は、Dr.レクターの所に新たな面談を求める、FBIの女性捜査官がやってくる処でフィナーレ、羊たちの沈黙へと続く流れとなっています。

レクター博士を、マッツ・ミケルセンが演じたドラマ版もあるんですよね。ちょっと気になってます。タイトルはハンニバルですが、内容はレッドドラゴンだと記憶しております。

🍅meter:69%
IMDb:7.2/10

スコアは、3.9…リーバ・マクレーン役のエミリー・ワトソンがとてもチャーミングです。そこ?