Fernweh

シンドラーのリストのFernwehのネタバレレビュー・内容・結末

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

少なくとも10年以上ぶりに見た。内容をまったく覚えていなかった。
初めて見た時より、関連知識があるし、量を見たり読んだりしたことは間違いない。
シンドラーはけして、ただ純粋な“善人”なわけではない。戦略だとしても。そうでなければ成せなかったことでもあるのだろう。
遺体焼却シーンの絵面。人権のカケラも見出せない会話。どれだけあっても足りない賄賂。買収によってのみ、救える可能性がある命。
スピーチ内容の正しさと、ただ立ち去ったドイツ兵、3分の黙祷、許可を得ての逃亡、金さえあればとそれでも残る罪悪感。ラストまでに、実際変化を経たのかもわからない彼の姿を、多面的で、より人間らしいものとして、記憶したい。善悪が見方次第で変わろうとも、人命を救うために自分の力を使ったこと、次の時代に命を繋いだことは、最も尊い善行の1つに違いない。
見る者に、生き方を問うてくる作品の1つでもあると思う。
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