エイプリル

7つの贈り物のエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

7つの贈り物(2008年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

前半、全然主人公の目的がわからなくて不穏なムードばかりが高まっていくの不思議な感覚でした。実はこの映画をハートフル映画だと勘違いして見始めたため、案外スリラー感強くてビビりました。
この「主人公が何をしようとしているのかわからない」が本作の魅力であるとは思うのですが、個人的にはそれがストレスでもありました。最後の目的を知ると、主人公の抱えているものが非常に悲しくて、今までの行動にも納得がいくのですが、何か狙いがある主人公に対する周囲の純粋な好意もなんだかきつかったです。

非常に回りくどいやり方ではありましたが、主人公の抱えている過去について贖罪を行うまでの話が描かれてたというのがオチなのですが、死に様が結構リアルというか、ちゃんとクラゲに刺されてから死に至るまでの痛みについても描写されていたのは主人公の覚悟をきっちり表していて良かったです。
あと個人的に好きだったのは、「スーツしか持ってない」とか言った翌日に普通に普段着で活動してたシーンです。これ、主人公が嘘つきものであるということを瞬時に演出してて良かった。
あとは主人公が実はベンじゃなかったっていうのがわかるシーンもサラッと描写されているからこそ良かったなーというのもありました。多分国税局の人間じゃないというのはなんとなく分かってたんですが、ベンですらなかったっていうのは予想できませんでした。

正直ベンの選んだ道はもっと他のやり方あっただろ、みたいに思いましたが、彼の過去を考えるとすでに正常な判断ができず、狂気に足突っ込んで人助けをするしかなかったんですよね。自己犠牲エンドの映画はたくさんありますが、ここまで倫理観とか犯罪行為スレスレを歩きながら人助けをして最後には自殺を選ぶ映画はなかなかないので、印象に残る映画でした。
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