イチロヲ

おかしな求婚のイチロヲのレビュー・感想・評価

おかしな求婚(1971年製作の映画)
3.5
莫大な財産を使い果たした独身の初老紳士が、富裕層の女性と結婚することで危機的状況を回避しようとする。中年男の人生観の刷新を描いている、ヒューマン・コメディ。「おかしな二人」の二番煎じを狙った邦題が付けられている。

「財産を浪費すること」以外に、コレといった能力をもたない主人公が、不器用で恥ずかしがり屋の植物学教授とカップルになり、起死回生の結婚生活を開始。本当は財産目当てなのだが、親交を深めていくうちにナンタラカンタラのパターン。

主人公と結婚する女性は、すぐにズレ落ちる分厚いメガネを掛けて、値札が付いたままの服を平気で着用する。夫婦ともに天然であり、初めてのプロポーズに挑戦するときの回りくどい喋り方と、新婚旅行のぎこちないやり取りが、実に可愛らしい。

何も出来ないはずの男がスキルを発揮していく過程が非常に面白く、パートナー同士が得手不得手を補うことの大切さに気づかされる。ウェルメイドと言ってしまえばそれまでだが、とにかくキュートな作品という印象。
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