Kamiyo

クローズド・ノートのKamiyoのレビュー・感想・評価

クローズド・ノート(2007年製作の映画)
4.0
2007年「クローズド・ノート」
(行定勲監督)脚本.吉田智子.伊藤ちひろ .行定勲

映画を観て感激したんだけどなあ。
舞台挨拶での沢尻の「別に」騒動は語り草。
その後日本映画に復帰するが薬物で逮捕。
あの騒動がなければ
正統な清純女優路線でも十分成功したのに・・・
ほんともったいなかったなーと思います。

僕の好きな、竹内結子さんと沢尻エリカさんが
出演しているので観てみました
竹内結子は3年前の9月27日永眠、が亡くなってることを踏まえて観ると、より感傷が深まる。
あの人の笑顔はなんか、いつも寂しい。
笑うと八の字眉になる顔の作りのせいなのかな。
そして、前から見ても横から見ても
振り返っても360°どこから見てもきれい。
彼女の笑顔にはいつも癒されたし
スクリーンでの存在感は半端なかったのになあ。

現代の話だと思うんだけどちょっと昔っぽいの。
街並みとか服装とか万年筆とか。
ロケ地が京都なんだよね。
南禅寺の水路閣に、竹やぶとか町屋…見てて
すごくわくわくした♪

教育大学に通う堀井香恵(沢尻エリカ)教師志望の女子大生、引越て来たアパートで前の住人が忘れて行ったノートを見つける。

それは1年前の春から書かれた真野伊吹(竹内結子)の
日記であった。
伊吹は、小学校の教師として初めての担任を受け持ったのであった。
そのクラスの子供達とのエピソードと偶然再開した隆との話が綴られていた。

引越当日その部屋を見上げていた男がいた 彼は偶然
香恵のアルバイト先である万年筆の専門店にイラストレーターである彼は、理想の書き味の万年筆を探しているという、石飛リュウ(伊勢谷友介)現れ変わった人が気になり
恋をしてしまう。
香恵が石飛を好きになっていく姿とかすごく共感できました。恋してしまうとちょっとした事なのに物凄っく嬉しかったり、どん底までへこんでしまったりしてしまうんですよねー、そういう所「あ~わかるわぁ。」と
香恵が失恋した時の喪失感も良く出ていて
こっちが辛かったです。
石飛を想う日々、日常に溢れる迷いや苦悩、そして笑顔が柔らかく描かれている。

このストーリーは、もう一つのエピソードが
(伊吹先生の日記)という小学校の新任教師、同時進行していくのだが。。。
香恵のストーリーとともに、日記のエピソードを演じた
伊吹先生こと、竹内結子。
こんな先生に担任を~と、思えるような、美しく、強く、優しく…教師の鑑のような人(正に”二十四の瞳”の大石先生みたいな)

現在の香恵の話と日記の中の伊吹の話をシンクロさせながら話は進んで行く、、、
伊吹の学校のエピソードには、優しい心になれます。
もしこれが教師をしているひとりの女性の恋愛話であれば、つまらなかっただろうと思いますが、ふたりの女性に分けた事で、とても 可愛らしい お話になっていました

やがて香恵は、伊吹先生の相手である隆とリュウが
同一人物であることに気がつく
伊吹先生が日記の中から現れたときは
もうこの世にはいないけれど
教師として精一杯生き抜いた人。
不意の交通事故で伊吹先生はこの世を去っていた。
日記の最後のページには、
隆への真摯な思いが綴られていた
日記の一言一句が胸に迫った。
ラストシーンの涙もに誘われて
もらい ”泣き”泣き”します。

ヒロイン香恵(沢尻エリカ)は、細やかな心情を
上手く演じていたと思う。
沢尻さん・・・なんといっても、かわいいですねー 
なんか、僕がみて惚れ惚れします。
大げさなリアクションはないものの、小さくまとまることなく、哀愁、悲壮…微妙な心の変化を巧に表現していたと思う。
生意気な態度でなにかとたたかれる沢尻エリカ。
せっかく作ったウズラの卵入りミートボールを食べてもらえないシーン、
「仕事のため定期演奏会に行けなかった」という台詞を聞いて喜ぶ表情、
「わたしじゃだめですか?!」と訴えるシーン
これらが僕のお気に入りです

竹内さん演じる伊吹先生もいいですね。。。。
まっすぐで一生懸命で、綺麗で優しくて
ほんといい先生なんですよね。
プライベートは、恋愛にちょっと強がったり
甘えたりなんかかわいいんです。
ほんと魅力的な女性ですね・・・、
いろんな意味で泣けます。
なんかとってもファンタジーでした。
現実的なようで全くありえない・・・
でもそこがいいんではないかな。
僕は好きでした。

ふたりのヒロインは、とても爽やかに
僕の心の中を通り抜けていった。

相手役のイラストレーター石飛リュウ(伊勢谷)も、個性的で渋味を効かせた演技で、ヒロインの感情をいっそう盛り上げていた

“意外な結末”などという言葉が全く当てはまらないほど、推理可能な展開でもあります(親切すぎるほどの伏線のため)。
しかし、読めるはずなのに泣かされる・・・沢尻エリカの涙、それに伊勢谷友介の涙もそうだったのですが、小学生の君代ちゃん(山口愛)にまんまとやられてしまったのです。
コテコテのラブストーリーではなく
随所に小さな感動がちりばめられ
非常に美しい映像であった。
ストーリーは、大変わかりやすく感情移入しやすい。
台詞もストレートかつ、気の効いた言葉で
心に染みるものだった。
レトロな感じで雰囲気よかったです。
上品でゆったりしていて・・・。

沢尻エリカの「別に。。」発言だけに踊らされて
良い映画を見る機会を失うのはもったいない。
若い時の失敗、苦い経験は誰にでもあるものだと思う。
映画の中でも伊吹先生が4年2組の子供達(生徒)に言っていました「人を許してあげる事も大事だと・・・」 
他人の過ちを許す気持ちをもち、一時的な問題で評価せず、今後の女優としての沢尻エリカに期待したいと思います。
彼女には類まれなる才能があるのだから。

伊勢谷と沢尻エリカも薬物で逮捕されちゃった。
芸能界の深淵を感じる。
Kamiyo

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