このレビューはネタバレを含みます
圭子は藤崎のどこを好きだったのだろう?いつから?考えてもわからない。
まあ、好きに理由なんていらないということもあるし、彼のことを特別視しているのは感じていた。
大阪へ発つ藤崎家御一行へ突撃するシーンは恐ろしいと思ったが、やりとりの様子は圭子がギリギリのとこで踏みとどまったのがわかる気品のあるものだった。
ラストシーンはその流れを汲んで、侘しげでも力強い歩みと笑顔が印象に残る。
問題は関根。
途中、関根に「行かないで」とすがるシーンは私も関根に騙されてしまい、「関根で手を打とう、圭子さん」とか言ってしまった。
なんか胡散臭いとは思ってたんですけど、まんまと私も落とされてしまいました。
黒水仙なんてプレゼントしないよな、ほんとうに圭子さんのことわかってたら…。
けどそのわかってなさも、純朴からくるものと、いいように受け取ってしまった。
いや、純朴なのはそうなんだけど…。
高峰秀子さん。憂いのある表情が多いなか、亡き夫の話やお店の女の子と話すときにふと見せる澄んだ笑顔が可愛らしくてたまらなかった。
7時間後の追記
なんか関根が「あなたの体が心配」だとか「結婚を意識しないと女の人と付き合えない」だとかもっともらしいこと言ってたの思い出してむかついてきた。
いい言葉でもその言葉を使った人の印象が変わるとまるっきり別の感情をもたらすから面白い。