ピュンピュン丸

兵隊やくざ 脱獄のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

兵隊やくざ 脱獄(1966年製作の映画)
3.7
シリーズ4作め。本作の大宮は少し髭が濃い(笑)。パワハラ上司を懲らしめるような爽快感のある映画。いつも通りの有田上等兵と大宮、それに田中邦衛、小川眞由美が絡んで、絶望的な戦時下の中国大陸に、美しい友情の花が咲く…。この4人に共通するのは、軍の規律にも政治思想にも法律にも権力にも上書きされない自分なりの行動規律があること。そこに人間としての凛とした美しさが滲み出ている。

小川眞由美の演技が特に光る。小川眞由美演じる女性が「わたしは内地に帰りたくなんかないんだよ」ときっぱり何度もいうときの表情が見事。何の過去談もないのに、その複雑な事情のようなものが伝わってきて、人物像に深みをもたらしている。

それにしても、最後のシーン。
見る人が見ると、大宮、有田の同性愛と小川眞由美演じる女性との三角関係的なものに解釈することもできるんだろうけど、あえて自分は『違う』と断言できる。

愛より強くて固い友情の絆は絶対にある。