イチロヲ

セーラー服 百合族2のイチロヲのレビュー・感想・評価

セーラー服 百合族2(1983年製作の映画)
3.5
夏休みを利用して軽井沢にやって来た同性カップル(山本奈津子&小田かおる)が、道中で知り合った男性と不明瞭な恋路を歩みながら、パートナーの嫉妬心を煽っていく。計5名の高校生たちによる、ひと夏の体験を描いている、日活ロマンポルノ。

「男に挫折する=大人へと成長する」の系譜を、レズビアン視点から描いている作品。ダブル・ヒロインの健やかな女体美が弾けており、軽井沢の大自然との調和性も相まって、もはやエロティック・アートの領域に入っている。

主人公に絡んでくる男性は、上流階級の大学生(内藤剛志)、酒屋の冴えないオッサン(粟津號)という顔ぶれ。とりわけ、山本奈津子に対して羨望の眼差しを向けていく、内藤剛志のキャラが良い味付けになっている。

「レズ同士の濡れ場を演じる」という行為は、精神的にも苦痛をともなう重労働なのだが(男が男性相手に濡れ場を演じるのと同じ)、本作の女優陣はまさに捨て身の演技で、鑑賞者の欲求に応えてくれる。そこにリスペクトが止まらない。
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