SachikoInoue

プレイス・イン・ザ・ハートのSachikoInoueのレビュー・感想・評価

4.3
夫の突然の死。
いきなりでびっくりした。でも多くの出来事は予期せずにやってくる。

幼い子ども二人を抱え、更に夫は借金をしていた。世の中は大恐慌。一体、明日の暮らしをどうしたらいいのか…。途方に暮れるエドナ。
そこへ、仕事を探してたまたま、家に寄った黒人のモーゼスに綿花栽培をしたら、と持ち掛けられる。

観ていて、エドナは純粋な心の持ち主で、人間としてきちんと扱う人だなと思った。
綿花栽培に関して、モーゼスの言うことをしっかり聞くし、全盲のウィルに対しても平等に接している。
生きて行かなきゃならない、必死な状況だからかとも思ったが、そうではなさそう。

何十エーカーと広がる綿花。それを摘むのになけなしのお金を払って何人かの黒人を雇う。彼らの為に食事を作ってあげ、共に綿花を摘む。子どもも一緒に手伝いながら。
綿花に棘があり、摘む時に怪我をするという話しは知っていたが、想像以上に大変そうだ。
しかし、エドナは泣き言は言わない。だが、疲労といつになったら終わるのかという辛さで、仕事をしながら泣いてしまう。
もうちょっとだよ!と応援せずにはいられない。

綿花が予想より高く売れたその日、モーゼスはKKKに囲まれて暴力を受ける。
ウィルが、優れた聴力を生かして彼を助けるが、モーゼスはこの家を去ることを決める。
去り際エドナは、あなたは、一流の綿花栽培の人よ。それを忘れないで。と言う。
モーゼスは思ったより、この家に心が残ると言うが、この言葉を胸に去って行く。

ラストは教会で、去ったモーゼスや亡くなった夫、夫を殺してしまった黒人の青年も一緒に、洗礼の儀式(多分)に参加している。
どのような形であれ、亡くなった人も生きてる人も皆、神の元に平等であれ、というメッセージがこもっていたのかなと思うシーンだった。

社会的弱者である人たちが、人間らしく、また力強く生きていけるように、互いを尊重していこう、という願いをエドナの生き方に託したのかな。
単純だけど。
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