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コンドルのTaulのレビュー・感想・評価

コンドル(1975年製作の映画)
4.0
『コンドル』(1975)初鑑賞。諜報組織のメンバーの巻き込まれ型で、古典的なポリティカル・サスペンス。ディテール描写の丁寧さと思いきった省略。2時間で描ける複雑さと明快なエンタメ性。スター二人と渋い俳優たち。それらのバランスが良くてさすがシドニー・ポラック、今見ても超面白かった。

ロマンスは70年代らしい入れ込み方だが、今ならストックホルム症候群ともいえそうだ。マックス・フォン・シドーの殺し屋、デイブ・グルーシンの音楽も印象的だった。

テーマにあるのは、アメリカがその後も何度もおかした過ちで、その度にハリウッドが自国に問いかけてきたことに感じ、その先見的なラストに震えた。旧ワールドトレードセンターが舞台で拍車をかける。

レッドフォードの政治劇は名作『大統領の陰謀』と続いていくが、本作も影響を与えた作品やオマージュが多いと再認識した。

『M:I/デッドレコニング PART ONE』の初期レビューで、バスター・キートンと『コンドル』の融合のようだ、というのを見かけたこともあり、見たわけだが、どのへんだろう。毎回そうとも言えるが笑
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