終戦直後の東京。旧知の上州虎と再会した哲は博打で飯を食って行くことを志す。その中で、ドサ健、オックスクラブのママ、出目徳などのさまざまなバイニン達と出会う、、、みたいなお話。
阿佐田哲也の小説「麻雀放浪記」の青春編を映画化した作品。
これ、名作ですね。
今だとものすごく豪華な俳優陣で、
特に出目徳役の高品格が素晴らしいですね。
加えてそれぞれの俳優が
ドサ健のカッコよさ、
オックスクラブのママの色香、
まゆみの真っ直ぐな愛情、
女衒の達の渋さ、
上州虎の場末な感じ
どれも非常に魅力的です。
また、主役の真田広之演じる坊や哲が、
様々な経験をして、少しずつ「オトナ」になって行くのが見事に表現されていて、
坊や哲が元師匠である出目徳にツバメ返しを炸裂させる所は鳥肌ものでした。
これは「雀鬼」こと桜井章一による雀技指導とのことで、納得。
冗長なシーンはひとつもなく、テンポ良く進むストーリーや、
牌を写しながら卓を旋回するカメラワークも素晴らしくて、戦後感を出すためのあえてのモノクロ撮影も納得。
久しぶりに味わい深い素敵な映画を堪能できました。