バンバンビガロ

拳銃王のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

拳銃王(1950年製作の映画)
3.7
とかく人の命が軽くなりがちの西部劇というジャンルにおいて殺人という行為に重みをもたせガンマンとしての名声を得た男の苦悩を描く渋い作品。
本作はジョニー・リンゴをモデルにしたと思われるジミー・リンゴという名の主人公がガンマンとしての名声を得たことと引き換えの心休まることない生活に嫌気がさし、人生をやり直すべく分かれた妻子に会いに行くという筋書きなのだが、ヘンリー・キング監督の西部劇では1939年の『地獄への道』でも実在のガンマン、ジェシー・ジェイムズを題材にアウトローの因果応報的苦悩を描いていてテーマ的にも重なる部分が多い。
生真面目で筋の通ったテーマ性だけでなく作劇的な技巧も優れたところがあってリンゴへの復讐をもくろむ三人組がリンゴの滞在する街にやってくるまでをタイムリミットに設定し妻子との再会、息子の敵討ちを狙う男や功名心にはやる町の若きアウトローなどの複数のストーリーラインを同時展開しながら悪名の因果が引き継がれるラストまでうまくまとめている。
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