デニロ

友よ、静かに瞑れのデニロのレビュー・感想・評価

友よ、静かに瞑れ(1985年製作の映画)
3.5
1985年製作公開。原作北方謙三。脚色丸山昇一。監督崔洋一。

主演は藤竜也。主たる共演者が倍賞美津子とか原田芳雄とか室田日出夫という濃い目の暑苦しい役者なんでなんとなく主演の影が薄い。

親友とやらが刃傷沙汰で逮捕された、ということで東京から沖縄まで駆け付けた藤竜也。なんとなくチャラい感じがしていけ好かない。1985年当時はかっこよかったんだろうか。あいつは無闇に人を傷つけるような男ではないと探りに来たのです。札びらを切って情報収集に走る。親友の経営しているホテルのある地域が再開発されることになっていて、周囲はすべて靡いたのだが親友だけが契約に応じていない、そんな最中に開発を担っている建築会社の社長佐藤慶を襲ったということらしい。それにしたってあいつが理由なくそんなことをするとは思えない。

倍賞美津子は親友の愛人。親友が勾留されている間ホテルを守る、ということらしいがぞんざいな人物だ。観ているだけだ暑苦しい。原田芳雄も開発会社の開発部長でかなり強引に土地買収をしている。おまけに慶應の元ボクシング部出身。暑苦しい髪形とサングラスで不快感倍増。室田日出夫は佐藤慶から毒まんじゅうを食らった警察官で、鬱陶しく何処にも出没して藤竜也の行動に制限を掛ける。

そして、親友には中学生くらいの息子がいて、開発絡みで誘拐されたり飼い犬を殺されたりすっかり怯えてしまっている。藤竜也が、そんな少年をなんとか立ち直らせようとするようなストーリーも交えます。

そんな映画。

親友はいったい誰なんだと思っていると最後の最後に登場します。林隆三。台詞なしで佇み殺されます。林隆三の動きに佐藤慶が何でそんなに狼狽したのかよくわからないし、その間のスローモーションがもたもたしていて恐怖の臨場感なし。

殺された林隆三のポケットから少年が警察に差し入れたレモンが転がり落ちて、それを拾いかみ砕く少年。暑苦しい。

神保町シアター にっぽんのアツい男たち3――男が惚れる男たち にて
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