八雲

リービング・ラスベガスの八雲のレビュー・感想・評価

リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)
4.8
『どうして自分を殺すの?』

『面白い表現だね。理由は忘れた。だけど死のうって決めた。』

『じゃあ自分を殺したくて飲んでるわけ?』

『飲みたいから殺すのかも。』

『おりこうね。』

お酒に身体を明け渡すベンと、お客に身体を明け渡すサラ。

退廃的な破滅の街で、お互いの“天使”に出逢うお話です。

『君は絶対に、絶対に、僕に酒をやめろと言うな。できるかい?』

『できるわ。絶対に言わない。』

自分のなかにベンもサラもいたことに驚きました。

明日なんてどうでもいい。もう未来なんて望んでいない。

ただ、“いま”だけ。儚くて尊いいまを、必死に、大切に、自分に刻みつけていく。

理想的な看取り方、看取られ方で、とても眩しかったです。

『彼を変えようとはしなかったし、わたしに対して、彼もおんなじだった。好きだったわ。――本当に愛してた。』

片手で擦ってくれたマッチ、震えるほどセクシーでした。ありがとうございました。
八雲

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