ザ・ロードのひすいのネタバレレビュー・内容・結末

最近は映像作品を観てから原作を読むことが多かったのだが、今回原作を読了しての鑑賞を久しぶりに試みた。いくつか付け加えられたシーンもあったように思うが、読みながら頭に思い描いていた静かで色彩のない情景が、そのまま映像になっていて大変楽しめた。
善き者として悪という豪風から“心の火”をなんとか守りながら旅をする父息子。しかし父親のそれは、幾たびの悲惨な経験からもうとっくに消えてしまっているのではないかという疑念をまざまざと見せつけられて苦しい。それでも父を愛し、他人の良心を信じ続けた息子は間違っていなかったことを示す終わり方(犬もここで登場！)がよかった。
原作よりも妻の描写が多く、何があったのかを明確にしていた。冒頭に出てきた青白い半透明の生き物や、幻視的な夢のシーン等はなかったが、ストーリーを簡潔にする上では良かったと思う。映画版で良いなと思ったのは、原作と違ってリボルバーの弾を残り一発のままにしたこと！
ヴィゴ・モーテンセンと息子(その後パワーオブザドッグに出ていたと知って驚き)の演技もとても印象深かった。