こなつ

恋する惑星のこなつのレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
4.0
美しい映像表現、独特な世界観、心奪われるストーリーで、今では日本でも多くのファンを魅了している「ウォン・カーウァイ」監督の名前を日本で一躍有名にした作品と認識しています。

4Kレストア版で蘇り、期間限定上映を鑑賞しました。

以前観た時は、煌めく香港の街、ぶっ飛んだフェイ・ウォンのキャラクターに、ただただ驚いたという印象しかなかったのですが、今回はウォン・カーウァイの世界の魅力にどっぷりハマりました。

片思い、プラトニックな恋心、ウォン・カーウァイの初期に描かれている男女の恋模様は、どの作品も切ないながらもひたむきに自分の心と向き合う姿が心打たれます。

「その時、彼女との距離は0.1ミリ、、」ただの通りすがりになるのか、恋に堕ちるのか、運命が交差する瞬間。

舞台となった重慶のビルのエスカレーターが、日本人の観光地にまでなったという話は、この映画の魅力に取り憑かれたファンが如何に多かったかを物語っているような気がします。

スタイリッシュな映像、ポップな楽曲、30年の月日を飛び越えて胸に迫るものがあり、新たな感動に浸りました。

30代半ばでこんな映画を創るなんて、ウォン・カーウァイ監督の底知れぬ才能を垣間見たような気がします。

ママス&パパスの「夢のカルフォルニア」がいつまでも耳に残り、煌めく映像の余韻を一層強く味わえました。
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