ユースケ

呪いの館 血を吸う眼のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

呪いの館 血を吸う眼(1971年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作に続き、凄まじい顔面力を発揮する高品格と二見忠男を凌駕する我らが岸田森の顔面力。「ハァーッ!」と牙を見せればノーメイクでドラキュラです。

「日本にもドラキュラを」をコンセプトに東宝が作り出した【血を吸う】3部作の第2作目である本作は、岸田森が和製ドラキュラを怪演し、その顔面力でボンクラの心にトラウマを植え付けた特撮恐怖映画。学校帰りに本作のポスターを見てしまったキッズ達がちゃんと大人になれたのか心配です。

とにかく、ステンドグラスの窓を突き破って颯爽と現れるシーンをはじめ、鑑賞後に記憶に残るのは岸田森の怪演だけだと思いますが、夕焼けで真っ赤に染まった海岸で遊ぶ子供達のロングショットや真っ赤な夕焼けの空を子犬が登って行く回想シーンなどのアバンギャルドな映像、伊勢丹の紙袋みたいなタータンチェックのコートを着こなす江美早苗、病院の非常階段から何とも言えない転落死を披露した桂木美加(【帰ってきたウルトラマン】で丘ユリ子隊員)、声を聞くまで誰だかわからない大滝秀治など、他にもみどころはぼちぼち。

ちなみに、本作から17年後の1988年、江美早苗はストーカーと化した元夫によって刺殺(享年36歳)。事件を知っていると彼女が助からないエンディングがたまらなく悲しくなります。