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女の座のleylaのレビュー・感想・評価

女の座(1962年製作の映画)
3.8
笠智衆と杉村春子が演じる夫婦が営む荒物屋が舞台。1男5女と亡き長男の嫁(高峰秀子)が織りなす群像劇。

ポンポン交わされる会話でそれぞれのキャラクターがしっかり描かれていて、16人ものスターを要しているのによくまとめたなぁと感心してしまう。

小津監督『東京物語』や成瀬監督『娘・妻・母』『乱れる』と通じる主題。家族の中で長男の嫁だけが血の繋がらない他人であることが浮き彫りになっていく。そんな辛辣なことまで起きるのか〜という展開。あくまでドライに、だけど最後は優しく、人と人とのつながりを描く、職人・成瀬巳喜男監督らしい作品でした。

『東京物語』では笠智衆さんが父、杉村春子さんが娘だったけど、今作では夫婦。実際に2人は2歳しか違わないのですね。
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