イチロヲ

妖星ゴラスのイチロヲのレビュー・感想・評価

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
4.0
地球めがけて直進してくる妖星ゴラスを回避するべく、世界各国の科学者が力を合わせて、地球そのものをロケット推進させようとする。空前絶後の計画に挑戦する人々の群像模様を描いている、東宝特撮映画。

世界各国の齟齬をメインに扱うのではなく、一丸となって難局を切り抜けようとする、一蓮托生と切磋琢磨を描いていく方向性。アメリカとソ連が科学の有効的活用法を研究している点など、未来に向けた展望のような内容になっている。

前半は、計画に参加する人物たちの群像ドラマ。後半は、技術者による命懸けの観測と南極大陸に噴射口を建設する展開。深山幽谷から出現するセイウチ型の巨大怪獣は、「特撮には怪獣を出さないとダメだろう」という東宝上層部の要求を受けてのもの。

特撮バブル真っ盛りの時期のお祭り映画。後片付けをいっさい描かずに、放置状態で終わってしまうが、画面に「終」と出たら終わりなのだから、これでいいのだ。とっ散らかっているけれど、問答無用で面白い。世界規模のカルト人気も、宜なるかな。
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