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生きものの記録のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

生きものの記録(1955年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

まずひとつ主人公の名は中島喜一中島といえば中島春雄さんだ。そうゴジラの中の人本人も出演している。精神病院の医者にはフランケンシュタインの博士ガス人間当人もでている。東宝特撮しているではないか。ふたつ目は喜一のしんだ妾の子供で成人しているのに彼にあまい喜一の月々の小づかいを宛にほうけている喜一義理の腹ちがい息子がでてくる。その彼が今風ひきこもりにみえ実にリアル。後ひとつ音楽についてである。基本的に映画音楽といえるのはテーマ曲だけで劇中いわゆる映画音楽は一切でてこない。効果音のつかい方がこれまた実に東宝特撮しているからだ。先のひきこもり息子のかけるレコードの音としてだとか完全に演技と同期させた効果音をもってオリジナルサウンドトラックとなさしめてしまっている。これはある意味ミュージカルでありオペラであり特撮における円盤音や怪獣の鳴き声である。ノンマルトの使者で少年のクチパクオカリナにうまくサントラがかぶさるシーンがあるがあれとおなじ。純粋映画音楽としてはそのテーマ曲一曲のみそれもたった二度冒頭それとなんとエンドマーク後の闇の中フルコーラスでフルメタルジャケットがおわった映画館の闇の中で突如ストーンズの黒くぬれがひびきわたるあの手法これが超ダークサイドというか漆黒の暗黒宇宙電波感満点でめちゃめちゃバッドトリップさせられこわいのなんの。筆者はあのマタンゴのラストをおもいだしてしまった。特撮ネオンの人工東京に夜なのになりひびきつづける建築用杭うち機の打撃音それにかぶさる無気味な音楽。そういえばひきこもり息子はいちはやくマタンゴ化した。日本にとどまって核の恐怖に鬱になるかブラジルにいってマタンゴに感染するかの二者択一しかないのは今の我々そのもの。ハヤスギタポストコロナエイガ。
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