かー

生きものの記録のかーのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
4.0
黒澤作品で初めて涙が出た。
お父さんの切実な思いはある種病的ではあるものの、誰も否定できないものだった。
終盤のシーンで精神科医が言うように、おかしいのは何も考えずに生きていられる人なのかもしれないと自分に返ってくる映画だった。考えすぎると気が滅入るのは今の時代も同じだ。

「一個人ではどうにもならい大きな問題と取っ組んでるんですからね。だから今のうちにあの老人を法律の力で束縛してやるのが、あの老人にとって一番親切ということになりませんか。」

「戦争というものはいつ始まるかわからん。もし始まったらもうダメじゃ。」

熱弁シーンでお子ちゃんがずっと床に扇子投げつけてるのかわいかった。泣くタイミングすごかったな。笑

黒澤作品を大体制作年順に観てますが、私が見た中では「終」のあとに初めて音楽がついていた。
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