KANA

デスプルーフ in グラインドハウスのKANAのレビュー・感想・評価

3.8

観よう観ようと思いつつ何故か後回しになってたQT作品。

オープニング画面から昔のB級映画感満載。
私の知る70sの映画たちってこんな粗雑なフィルムじゃない。
たぶんそれらはメジャー作品だから?
グラインドハウスものってこんなに香ばしかったんだ。

観終えてみれば、本作は終盤のクライマックスを楽しむためのものだと思える。
それまでの1時間半はいかにもB級映画らしいネットリした主人公、スタントマン・マイク(カート・ラッセル)の変態さを紹介する前振り。
冗長で低俗なガールズトークもボーッとかったるい雰囲気を感じ取るだけでいい。たとえあくびが止まらなくとも。

あざといほど古めかしく荒い映像や編集も、延々と垂れ流される無駄話も、警官親子の説明しすぎなダサい演出も、ぜーんぶこちらを油断させるタランティーノの"作戦"なわけで。
ゆるゆるからのギアチェンジが効く〜!
疾走感、バチバチしたカメラワーク、クリアな映像でのリアリティ。このカーチェイスで一気に目が覚める。
ゾーイ・ベルのアクションお見事!
攻守が入れ替わってからは、ハラハラから最早コメディへ。
キムが運転しながらマイクに罵倒を浴びせる辺りから観てる脳もアクセル全開。
スカッとした!
そしてカート・ラッセルの情けない姿、笑えたなぁ。

ゾーイやキムが話してた『バニシング・ポイント』、観てみたい。


p.s. エンドクレジットで流れるChick Habitはセルジュ・ゲンズブール作曲のカバーというのが嬉しい驚き。
歌詞からしてGo girls!な感じだけど、終盤の展開も手伝って中毒性がある♪
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