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アトランティスのこころのvenom9のレビュー・感想・評価

アトランティスのこころ(2001年製作の映画)
3.8
名作「スタンド・バイ・ミー」と同じスティーブン・キング原作の映像化作品で、甲乙付け難い良作です。
子供の頃、永遠に続くような夏の日々、早く大人になりたいような、ずっとこのまま仲間とわらって過ごしたいような、そんなキラキラした思い出がうまく映像化されていると思います。
物語の柱として、不思議な老人との出会いと主人公少年の成長が据えられていますが、誰でも幼い頃心当たりあってもおかしくない「あれは一体何だったのだろう?」といった記憶を象徴しているようで、不思議な出来事は本作の本質ではない印象です。ボビー(アントン・イェルチン)はテッド(アンソニー・ホプキンス)から、不思議な力を有していること、謎の組織に追われていることなどを示唆されますが、詳細は分からずじまいです。夢のないことを言いますが、テッドが本当のことを言っていたとは限らないし、ボビーの記憶もどこまで正確かわかりません。
でもそんなことは良いのです。テッドと出会えて、ほんの少し一緒に過ごしたことで、ボビーは少しばかり生きる勇気と感謝の念を得たのだから。
(2024年3月 U-NEXTで鑑賞)
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