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岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇のmitakosamaのレビュー・感想・評価

2.4
スカパーにて。岸和田少年愚連隊のシリーズ。前作の井筒・ナイナイ作に対し、今作は三池・千原兄弟という組合せ。

昨今の三池は漫画原作の消耗映画を大量生産するザ☆商業監督だが、この時期はまだそれほど割り切れていない印象だね。
時代的にもウォンカーウァイや岩井俊二などの叙情的で作家性のある監督が評価された時代だし、そういうのを追っていた印象。
でも明らかに三池崇史に情緒ある作品を作るセンスは無いんだよね。

まして岸和田少年愚連隊に“情緒”を盛り込まれても…

僕の印象では、まだ商業主義に撤しきれなかった三池がナケナシのセンスを振り絞って大滑りした作品…って感じ。
その象徴が三角定規のくだりかなぁ。あの中途半端なファンタジックなシーン。アレ何?

Jr.が主役で岸和田のヤンチャ小僧。仲間の役にやべきょうすけと千原せいじ。
元々鈴木紗理奈演じる娘と恋人同士だったが、別れて他の女と付き合いだし燻る毎日。調子を取り戻して3人でまたバカやろうとしてたら、せいじが雷に打たれて死ぬ。
一人居なくなったが、またバカな喧嘩に明け暮れる日々に戻る。みたいな話。

序盤とラストはまぁまぁ面白いのだが、中盤のダレ場がホントにただダレているだけでツマンナイ。
逆に割と見れる最初と最後は鈴木紗理奈が良い演技をする。この子って実は凄い演技上手いんじゃないか?
ガサガサ声とド関西弁とメチャイケなどのバラエティのイメージで損しているが、本格的に女優業に転身したほうが向いているんじゃないかと思うわ。
(それもあって紗理奈の出てこない中盤が見てられない。)

映画自体は特に見所は無いが、鈴木紗理奈には女優としての才は感じた。小池栄子などと同じく、バラエティよりも演技で開花して欲しい逸材。
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