Takumu

戦場にかける橋のTakumuのレビュー・感想・評価

戦場にかける橋(1957年製作の映画)
4.5
何のために。

確かに、誇りや健康ためには正しい手段だったが敵に塩を贈るとは本末転倒。ニコルソン大佐の真意はわからないが、この結末は正解だったと思う。本編は長いが、うまくパート分けされていて、中弛みもなく見やすい。

第一幕では、ニコルソン大佐が英兵捕虜を率いて橋の建設に取り掛かるまでを描く。まず、画面内の人数の多さに圧倒され、有名な曲をともに口ずさみながらワクワクする。次に、非情でプライドの高い斎藤大佐とニコルソン大佐の意地合戦が見どころで、ニコルソン大佐が解放されるシーンは胸が熱くなった。

続く第二幕では、橋の建設が進むと同時に英軍が米脱走兵とともにある作戦を立てて、第三幕で実行に移される。ニコルソン大佐の有能ぶりも目を惹かれるが、初めは冷酷に思えた斎藤大佐の沈黙が増え、人間らしさを露わにしていく様子にすごく共感できた。

古いからこそ、現代のような嘘っぽさがなくリアルな映画を楽しめたし、アカデミー賞7冠も納得な反戦映画の傑作だと思う。

『おい、お茶』
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