キューブリック臭はかなり薄いけど、それでもキューブリック特有の映画技術が表れてるように思えた。この映画の凄いところは、海兵隊にとっての「日常としての戦争」を描こうとしているところだと思う。特別なイベントとして戦争があるのではなくて、彼らの生活に戦争がべったり張り付いてしまっていることが本当に恐ろしいことなのだと思う。「日常としての戦争」を描くために、この映画では海兵隊に入る前や除隊後のストーリーは一切描かれない。それらを描いてしまうとあくまで戦争がイベント化されたものとして映っててしまうから。だから、最初の歌の効果は凄い。あの歌の歌詞を聴くだけで、これから始まる話が新米海兵隊の話だと分かる。だから、海兵隊に入る前の話を描いてなくても、視聴者は違和感なくストーリーに入っていける。先述したキューブリックの技術の１つである。
