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人間
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『人間』に投稿された感想・評価

TS

TSの感想・評価

4.0
【人間を人間たらしめるもの】84点
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監督:新藤兼人
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:116分
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途轍もなくシンプルな題名だからか、凄い心にくるものがあります。窮地に陥った人間は果たして人間であり続けれるのか。人間以外の存在、例えば畜生に成り下がってしまわないのか。白黒でもここまでエネルギッシュな映像が伝わってきたのは『生きる』以来かもしれません。白黒映像がカラー映像を上回ると思われる作品の一つです。

ある日小さな荷役船である海神丸は、東九州の漁村を出発した。そこには4人の人間が乗船していて、1泊2日で帰路につくつもりだったのだが。。

途中で嵐に襲われ漂流してしまい、何十日にもわたり小さな船の上で生き残らないといけないというもの。ありきたりの設定かもしれませんが描き方が非常に良い。雨が降らないと本当に生き延びられないという過酷な状況を見事に描いていますし、極限までに至った人間は、人間の太ももでさえ美味しそうに見えてくる。どれだけ頭脳が発達した人間でも、何もない箱に収められたら所詮赤子。下手をすると他の生き物の方が生存確率は高いのかもしれません。

4人とも素晴らしい演技をしていますが、特に五郎助を演じる乙羽信子の表情がえぐかった。演技とはいえ、どうすればあのような目力を出せるのでしょうか。切り取ればホラー映画とさえ思えてくるこの作品は、人間の弱さ、そして人間も結局は食物連鎖の頂点などに君臨する生き物ではないということを如実に伝えています。結局、人間を人間たらしめるものとは、良き環境なのだと思いました。劣悪な環境ならば人間は畜生にもなり得るということです。しかし、ラストには驚愕させられましたし、ある事をすることで人間は人間であり続けれるのだとも思いました。そのある事とは、ラストを見ればわかるでしょう。
同時に新藤兼人の名作『鬼婆』も気になりました。前から気にはなっていましたが今作を見てさらに際立ちました。
伊豆大島の港を出て近くの島に行き石を積んで帰る予定だった小さな船。港を出た後ほどなくして嵐に会う。大荒れの洋上で船に乗るのは男三人女一人(殿山泰司、佐藤慶、山本圭、乙羽信子)。
嵐にやられ舵が壊れマストが折れエンジンが止まった。
そういうシュチュエーションになるまでが開巻から10分そこそこで作品は全体で116分。つまり約100分は漂流し水や食料に苦しむ船上の危機的状況における人間模様がじっくり描かれる。

彼らにはザバイバルのための詳細な作戦が無くて、生きる為に信念を持つということだけしかない。その辺りがストーリーとして少し物足りないし音楽もジャズなんか流してどことなく脳天気。金比羅さんに願掛けしたら雨が降って来たりしている始末。

緊急時を生き抜く為に最善を尽くすかというとそうでもない人間。仲間割れをしたり限りある食料を無駄にしたりしている。

先日、緊急事態宣言中に不要不急ではない用事があって上野に行ってきた。
上野から御徒町にかけてJRの高架下周囲の飲み屋が平日の昼間から酒を提供していた。客が結構入っていて老いも若きも大声で笑って楽しそうに会話をし騒いでいた。
飲食店の経営が危機的な状況であり都側も大した救済措置を取らないので生き残りをかけて酒を提供しているのはある意味理解はできる。
しかし客は食物を口に運ぶ時以外はマスクをしたらどうなのか。もしかしたら誰かにウイルスを移して殺すかもしれないし貴方自身が苦しんで死ぬかもしれないのだ。
この病にはそうした特徴があるのだ。
すぐ隣の席で盛大に飛沫を飛ばして酒宴をしている一団がいても何の心配も無く呑気に酒を呑んでいる人達の気持ちが理解できない。
飲食店を救う為にも尽くすべき最善のやり方があると思う。
赤ら顔の酔っぱらい相手に意見をする勇気もなく通り過ぎたがイヤなものを見た気分だった。

本作の人間を思い出した。
良し悪しは別にして人間は元々こうした存在なのであり、それを想定に入れていない危機管理施策で緊急事態宣言を解除することに不安を覚える。
yaaa

yaaaの感想・評価

4.0
見よ!これが昭和の名優・殿山 泰司だ!
男前バージョンのタイちゃんが堪能できる作品。
殿山泰司主演映画2本のうちの1本。

船長・殿山泰司、乙羽信子、佐藤慶、山本圭(うわあ、なんと濃厚な)を乗せた荷役船が嵐で遭難して50日以上漂流する。食料は次第に底をつきお約束のあれが…

固定された空間を舞台に追い込まれた人々の人間性をあぶりだすおなじみの展開の映画だが、意外にも安く見えない水難アクションがあったりして楽しめる。船のへりにロープ一本でぶらさがる乙羽信子なんてこれでしか観られない!

殿山泰司は金毘羅さんを信望する船長で「金毘羅さんが助けてくれる」と皆を男前に先導していくが、今回下衆担当の乙羽信子、佐藤慶と反目してお約束のあれに突入してくのだが。
ちなみにお約束とは男三人が乙羽信子に襲い掛かるというのではない。

金毘羅さん(劇中ポップに登場する)という固有のものでなくある種の心の拠り所・希望を持っている船長が終始前向きに男前にどん底の中でも人間性を失わず対処していく様は、おそらく同じテーマであろうイーストウッドの「チェンジリング」を思い起こさせる。
イーストウッドの方が遥か後発ですけどね。
それが映画の中心線であるため、サバイバルだけの映画ではない。かといって、重苦しいまじめだけの作品でなくオーバー気味の表現や、暗がりに差し込む光など画づくりもムードあり、中だるみもしばしの休息といった趣で楽しめる映画である。

南方の記憶より突然現れる浜村淳もいけている。

船乗りの「めし」描写が細かくて、結構見入ってしまいます。

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