タキ

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のタキのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

オリジナル版はかなり昔に見たきりでどこがディレクターズカット版と違うのか私には分からなかったが、ラストに付け足しがあったのが大きな違いのようだ。カラス神父は我が身に悪魔を乗り移らせて転落死することで命がけで悪魔を滅ぼすという賭けにでるのだが、カラス神父は死んだが悪魔も一緒に死んだのかは分からない。ディレクターズカット版だと引っ越すマクニール親子を見送るダイアー神父の様子から悪魔は撃退できたのだろうという気がする。
悪魔祓いというと荒唐無稽なホラーのようだが、ここに出てくる悪魔は嘘の聖水に悶絶したりして超常なるものとはちょっと違うようなエピソードを挟んでくる。父親の不在と母親への気遣いを共に持つふたり(リーガンとカラス神父)の心の闇が悪魔という形を持って現れる。「だれでもない」とは人の心を映す鏡のような存在だということだろう。ほんの少しの真実に嘘を重ねて人心を惑わす。まったくの嘘ではないから人は信じてしまう。そう考えるとマスコミやSNSは現代の悪魔といえるかもしれない。メリン神父がカラス神父に悪魔の話を「聞いてはならない」と諭していたが、たしかに、見ない聞かないが1番の防御方法だ。
あのコインはいつの時代も悪魔(抑圧された心の闇)と戦うものがいたしるしだと思う。
あとディレクターズカット版にはリーガンがブリッジしたまま階段を降りてくるスパイダーウォークが付け足されているとのこと。360度回転する首と緑色のゲ◯はお馴染みだが、1番ヒェ〜と思ったのが病院で治療中のリーガンの首に針を刺して管を取り付けるシーンだった。ピューッと血が噴き出すリアルさに怖気つ。悪魔も怖いが当時の医学の怪しさも同じぐらい怖い。
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