Chico

ルネッサンスのChicoのレビュー・感想・評価

ルネッサンス(2006年製作の映画)
4.0
監督:クリスチャン・ヴォルクマン
製作国:フランス、イギリス、ルクセンブルグ
原題:Renaissance
製作年:2006年
受賞:2006年アヌシー国際アニメーション映画祭長編アニメ部門グランプリ

舞台はテクノロジーが進化した2054年パリ、多国籍企業アヴァロンに勤務する若き天才科学者イローナが誘拐される。捜査に任命されたのは敏腕警部のカラス。彼女の足取りを掴むため、イローナの姉ビスレーンや元アヴァロンの科学者ドクタームラー等に接触し、身辺調査を進める。そしてイローナの研究や、誘拐事件に隠された事実が次第に明らかになっていき、カラスはその背後にある恐るべき陰謀を知る。

バンド・デシネやアメコミを彷彿させる白と黒のモノクロ世界を体験するSF・サスペンスアニメーション。
構想から完成まで10年を費やした本作はモーション・キャプチャーで製作され、アニメ界に衝撃を与え当時とても話題となりました。15年経っていますが全く古びない映像に感激しました。
ビジュアルコンセプトはシン・シティ、フィルム・ノワールや日本アニメをベースにしていて、押井守監督の「GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊」に影響を受けたであろう光学迷彩や雨のシーンも見どころ。

内容は回収しきれてないし突っ込みどころはありますが映像の凄さからアニメ芸術の醍醐味を味わえる作品だと思います。

アニメにおいて偶発的なカットというのはなくて、映るものは全て計算されて組み立てられています。その作り込みは圧巻で、白黒(ほんの一部カラーと、グレーもある)の効果を駆使して斬新に描かれた映像からその凄さが伺えます。

ちなみに劇中の主人公カラスが乗っている車はフランスの自動車メーカーシトロエン社が映画用にデザインしたものだそうです。

今回再鑑賞です。
リアルタイムで観たけどストーリーは完全に忘れてました。
個人的にビジュアルがすごく好きなのでこの点数です。物語を重視するとfilimarksの評価は妥当なのかもしれないです。
Chico

Chico