つかれぐま

リトル・ダンサーのつかれぐまのレビュー・感想・評価

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
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『コーダ』を見た時に『シングストリート』みたいだなと思ったが、その両作ともに本作からの影響が大きいな。
ビリー少年だけでなく、後半大人たちの心もちゃんと拾っていくのがオジサンには嬉しい☺

ラストの演舞は有名な「マシューボーン's白鳥の湖」か。ビリーの少年時代にはなかった演目だ。現実のバレエ界の進歩と重ねた表現が面白い。同時にあのくだりは、お父さんにとって「はじめてのロンドン」。炭鉱一筋の彼の眼にはどう映っただろうか。ビリーから(&おそらく監督から)父親への感謝の意が込められた、これは最高の親孝行。

結局ビリーのセクシャリティはどちらなのだろう。対比されるように挿入された少年(女装好き)との時間と、少女(バレエ仲間)との時間。それらから読み取るのは難しいが、まあそれがどちらであっても物語の(そしてビリーの)本質は変わらないということだろう。

映画の中のLGBT表現は、これくらいがちょうど良いな