蓼食う虫

タクシデルミア ある剥製師の遺言の蓼食う虫のレビュー・感想・評価

3.5
グロすぎダークファンタジーのカルトムービー。
サンダンス映画祭(NHK賞受賞だがNHKはおろか電波には載せられないレベルの内容)で途中退席者が続出したというのも頷ける。

気安くお勧めできる作品ではないが、
その世界観を垣間見たい方は公式サイトをどうぞ。

http://www.espace-sarou.co.jp/taxidermia/top.html

のっけから情報量多過ぎてソッ閉じしたくなること必須w

自分は音楽担当のミュージシャン経由で知り、
前作の『ハックル!』(ハクション)も遡って見たが、
こちらもブラックユーモア溢れる力作だった。
(まずはハックルから見た方がいいかも)

最新作は2018年の『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』だが、
これは東京国際映画祭で上映されただけらしく、
元からソフト販売されない予定だったという珍品。困ったもんだ。

3世代の生き様を描いているが、
最終話は非モテ男にゃ身につまされてツラいw

だが抱えるテーマは深く、まるでドストエフスキーの小説を読み終えた後のように、
鑑賞後にくるりとナイフの矛先をこちらに向けられるようなヒヤリとした思いがする。
「…彼ら親子三代の極端な例はさておき、では、あなたは人生で何を遺すのですのか?」と。
なかなかキツ重たい問いだ。

3代目の"作品"を、まるで一級の芸術品に触れるが如く見に訪れた有閑セレブたちの豪奢な様が、残酷さを引き立たせて印象的。

ひとまずメモ
蓼食う虫

蓼食う虫