Mackey

浮草のMackeyのネタバレレビュー・内容・結末

浮草(1959年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

戦前の作品のリメイクだからだろうけど、同監督の同時期の他作品とはまた違う味わいがあった。舞台が地方の港町だったり、家族とは別に旅芝居の一座が共同体として出てきたり、口調が関西弁だったり。主人公の男性優位な振る舞いもそのままあまり批判されることなく話が進んでいく。

雨の中、駒十郎とすみ子が喧嘩するシーンは見応えがあった。場面設定や撮り方が効果的で、2人の演技も真に迫る感じでよかった。あそこまで正面切って激しく言い合うシーンは他作品であまり見たことなかったのでそれも新鮮だった。

お芳の家の庭の花や喧嘩シーンでの軒下の傘など、画面の中に赤色を効果的に配置しようとしてる感じがする。(画面が締まる感じ、それ以上の意味合いはわかんない)
『彼岸花』同様、カラーになったんだから構図だけでなく色彩にもこだわるよね、といった感じ。ただ、今作は港町の街並みや夜の暗い色味と意図的に配置した赤や一座の衣装の色味のコントラストで独特の雰囲気を出てる感じがした。

中村鴈治郎と京マチ子の演技が作品の魅力を増してると思う。
Mackey

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