Melko

恋に焦がれてのMelkoのレビュー・感想・評価

恋に焦がれて(1992年製作の映画)
3.7
おませちゃんの一夏の経験。

ずっと📎してたのをやっと。恋愛映画が苦手なわたし、これは予想以上に良かった。幸せルンルンハッピーなままで進めてくれない、ほろ苦さ。でも希望のある終わり方。好き!

アマプラで出てきたジャケットが不穏な雰囲気で、ホラーかと勝手に思ってたら。ひと組のカップルのラブストーリーを子どもの視点から描いた作品。設定も展開もありそうだけど、なんだか不思議なテイストの仕上がり。

キスと恋に憧れる少女アリス。10歳。
彼女の憧れは、向かいに越してきたチャーミングお姉さんシェリル。17歳のカトリック。
アリスはシェリルに憧れ、彼女のことを勝手に何でも真似している。
そんなシェリルは不良青年のリックと恋に落ちる。リックはボーリング場で真面目に働いてるけど、素行の悪さが原因でシェリルのご近所からは煙たがられている。
激しく愛し合うシェリルとリック。そんな2人こそ、真実の愛なのだと信じて慕うアリス。それなのに周りは全然分かってくれない……

That nightのthatが、どの夜を指してるのかがわからない…けれど多分、シェリルがアリスを認識したあの晩のことなのかな?あそこから全て始まったとゆうか。

顔立ちが美人なのにめちゃくちゃ芋っぽいアリス、まさかのエリザドゥシュク!チアーズでは色っぽお姉さんに進化してたなあ…散々みんなイジメてたけど…子どもの頃の印象なんてアテにならないのよ、ガキども。カエル事件だけは絶対許すまじ😡ムカつく!

そんなアリスの憧れの存在シェリルとリックが、とても良かった。10歳から見れば十分大人でも、まだ17歳。永遠の愛なんてないかもしれないと不安になる気持ち。
2人を悪く言う周りに「違うもん!2人は良い人で、愛し合ってるんだもん!」と必死に主張し庇うアリスが健気。でもあなたがどんくさいせいで2人があんな目に合うのよ…!それもまた経験と勉強か。

アリスを優しく見守るお姉さんなシェリル役のジュリエットルイスが結構ハマってて、わたしの中ではジュリエット史上no.1のキャラ。好きだなあ。海辺で踊るアリスとリックを見つめる表情とか特に。
見た目は不良だけど、惚れた女に一途なリックのCトーマスハウエルも良かった。不器用な男よ……ボーリング場でアリスの父にキツい態度されるところは、代わりに怒ってやりたかったね!あんた悪くないよ!
そんな2人が、終盤でアリスを挟んで対峙するところのシェリルの目が、とても良くて…。切なすぎる大人の目。

夢みがちな男と現実派の女の違いとゆうか、だからこその選択だったけど、でも、わたしは最後にアリスが見た光景がハッピーに続くと信じたい。それはもう子どもの恋ではなく大人の男女の愛。キスではなく、ハグ。
アリスも成長したけど、若いカップルも成長した。ほとばしる恋を経て、相手を思いやり自分の胸の内を曝け出すことを学ぶ。

あと、幼いアリスにもきちんと本当のことを話して向き合ったアリスのママにMVPあげたいな。ママも人知れず苦しみを抱えてたのよね…涙

ジュブナイルものなところもあるキラキラ音楽と舞台である60年代のレトロ音楽の融合がいい。
特にリサフィッシャーのRuler of my heart。
甘々なダンスシーンはむず痒くてあんまり好きじゃないけど、あのシーンは何度でも見てられる…素敵。
60年代ファッションとりわけ女性たちのドレスも良い感じ。ビーチのレストランでカキ食べてる時のシェリルの花柄ワンピース、可愛い!

不思議なラブストーリー、好きな作品でした。
Melko

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