Garararara

K-19のGararararaのネタバレレビュー・内容・結末

K-19(2002年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

世界大戦を回避した、認められない名も知れぬ“英雄”たち

最新鋭のポンコツ潜水艦
戦争末期の日本軍を彷彿させる

ロシア語だったら完璧だったけど、ソ連じゃ作れないよね

「乗組員は家族、艦長は父親です」
「手紙を書く」「郵便は出せん」「死んだ時のために」
「心配するな。ただの10分だ」
「目が見えない、目が…」


これは事実に基づいた物語である
この事件は28年間、
語られることがなかった
1961年、
ソ連は世界を2回壊滅できる核兵器を所有
米国には世界を10回破滅させる核があった
だが両国は各軍備を増強
米国は原子力潜水艦を出動させ、
レニングラードとモスクワを、
射程距離内に捉えた
事態は一触即発
果たして先制攻撃を仕掛けるのはどちらか

「核ミサイル発射の緊急手順開始」
「モスクワ司令部の許可が出ました」
「1番核弾頭スイッチ・オン」
「訓練終了!」
「ポレーニン艦長、この失敗をどう説明するかね?」「提督、これは単なる点火装置の不調です」
「私の名を書けばいい。“ミハイル・ポレーニン”K-19の艦長だ!」

無能な整備士、不良部品、お偉方の視察

ボストリコフ艦長
ポレーニンは副艦長に降格

ヴァディム・レドチェンコ中尉
原子炉担当士官
訓練学校トップ、実体験なし

間違った薬を届けたトラックを止めようとしたガブリエル船医を轢き殺し

バラスト搭載後も左舷0.5 度の傾斜修正不能
「0.5度ぐらい構わん。海水バラストで帰港まで補償する。帰港できればな」「本艦の新しい価値呼び名を?“未亡人メーカー(製造艦)”と。溶接作業で5人死亡、建造中に4人、そしてドクター…、あのシャンペン(就航式で割れなかった)。10人死亡、それも出港前です」「驚いたな、部下が上官に弱音を?」「乗組員は家族、艦長は父親です」「私の父親は厳格で甘い顔など」「あなたの父親については2通りの伝説が。1つは“革命の英雄”、1つは“強制収容所で死んだ”と」「両方正しい。安全点検はどうなってる?」「進行中です」

サヴラン…新任軍医
「ここにわたし以上の軍医はいません。緊急に補充が必要って話で…」
「私はすぐ…船酔いで」

K-19…294

「圧力が上がると水漏れは止まる」

「手紙を書く」「郵便は出せん」「死んだ時のために」

潜航300m…圧壊深度
からの急浮上(凍結海域…氷の厚さ1m以上…1週間前のデータで今は薄く)

冷却水漏れ
冷却水はただの蒸留水→真水30トン
「心配するな。ただの10分だ」

「チーフ(機関長)ゴレロフに感謝を。そして第3修理班の諸君に」

ミーシャ(マウス)…悶絶死

赤ワイン…放射能吸収率減らす

ガイガーカウンター
司令室…放射能レベル5倍
原子炉室…その10倍
送風装置停止
ヤン・ヤマン島のNATO基地まで160キロ
「あそこの米軍に連絡を」「本艦と乗組員は絶対敵の手には渡さん」

「見つかった。米軍の駆逐艦だ」

「溶接が溶けた!炉心温度450度で上昇中「総員、艦内に入れ。緊急潜航用意」

ミサイル筒で火災

「党の権限により、職務違反であなたの指揮を剥奪します」
「コルニロフ、米艦に救助を依頼しろ。脱出する」

「艦長だ。状況は絶望的だ。原子炉の修理は失敗だった。いつ核弾頭とも爆発するか分からない。NATO基地から数キロの位置にある、米駆逐艦も爆発の巻き添えになる。米国とソ連両国間の緊張関係を考えると、祖国に恐るべき報復措置が加えられることになろう。潜航して原子炉の修理を行う選択肢があるが、成功の保証はない。答えを待つ」

レドチェンコ…決死の溶接
「入って何分だ?」「18分です」
艦長が入って救出「目が見えない、目が…」
「艦長、音度が下がっています」「やったぞ、彼は英雄だ」
「浮上せよ」
「浮上次第米艦艦長に連絡を。“支援を依頼したい”と」

「艦長、溶接部はどうです?」「機能してる。熱に耐えてる。君は英雄だ。分かるな?君は英雄だ。君たち全員が、全員が、英雄だ。味方の救援を望んでいたが、放射能漏れが急激すぎた。やむを得ず米海軍に、救援をたのんだ。総員、離艦用意」

「味方の潜水艦S270が救援に」…398

「確認しました。S270経由で司令部の連絡が。乗組員を退避させる要請は却下されました。 “貨物船で曳航する”と」「他には?」「乗組員に、“新鮮な果物を与えろ”と」「モスクワの命令に逆らって総員を離艦させる」「あなたの軍歴は終わりだ。父上のように収容所送りです」「それが我が家の伝統らしい」

「あなたの艦です」「地位は失ったが誇りは保った。君は両方失った」

「最悪の自体になりかねなかった今回の事故で、総員が義務を遂行し、7人が命を失いました。今後も何人犠牲者が出るのか。その彼らを罪を犯したかのように尋問するので?治療を受けてる時も質問攻めです。妻子や家族とも面会禁止。だが彼らが、K-19を救い、たぶんあなた方の命も救ったのです」「ありがとう艦長」「もう一言。かつてこのような決断を迫られた艦長はいません。艦と乗組員の運命、世界の命運が彼に懸かってました。はぁ~、海軍は私の命。1隻の鑑に艦長は1人…、これが原則です。前世金を独りで背負って立つのが艦長です。あなた方に、彼を裁く権利はありません。あなた方と違い私は見た。艦長は彼でした。私の艦長でした」ボストリコフ艦長に向き直り「彼の指揮下で再び航海することを名誉と考えます」

モスクワ1989
東ドイツ解放、ベルリンの壁崩壊

K-19の艦長は無罪に
だが潜水艦勤務は最後となり、乗組員は生涯何も語らぬことを誓わされた
原子炉に入った7人は間もなく死亡
数年間で20人が後を追った
ソ連の崩壊後初めて、生存者たちは亡き友を弔い、やっと事件のことを語り始めた

「よく私の住所を…。だが今日は私には都合の悪い日でね」「どうしても今日に」墓の周りに生き残った船員たち「乗組員です。28年前の今日でした」
7人の墓の雪をかき
「艦長、献杯を。今は亡き仲間に」
「私は彼らの勇気を讃えて、彼らの“ソ連の英雄”の称号と。だが選定委員会は、“戦時中のことではなく、単なる事故だった。だから「英雄」ではない”と。そんな名誉なら要らん。あの男たちの死は、勲章のためではない。彼らはあの時あの場で、義務を果たした。海軍への義務、国への義務ではない。我々のため、仲間のためだった。乾杯しよう。仲間に!」「「仲間に!」」
氷上に浮上した時の集合写真

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