マイナー映画好きのジェーン

妹の恋人のマイナー映画好きのジェーンのレビュー・感想・評価

妹の恋人(1993年製作の映画)
3.1
エイダン・クイン演じるお兄さんベニーが素敵でした✨癇癪ばかり起こす妹に愛情を注ぎながらも叱る時は叱り、とても真面目で誠実。サム(ジョニー・デップ)の才能を認めて伸ばしてやろうともします。
ただ、彼も人間。妹のために長年我慢してきたせいで、妹の恋に激怒して極端な行動に出たりもします。

と、ベニーの人物像とエイダン・クインの素晴らしさは⭐︎5レベルなのですが、物語としての吸引力は今ひとつ。

最初のほうに出てくるポーカーのシーンなどは、ベニーの我慢を強調するためにも要らないと思いました。たいして親しくない男たちとポーカーをする、という行為はベニーに似合いません。
可愛がっていた金魚が死んだ時、ベニーがトイレに流すのもショック❗️温かい人物像に合わないし、監督の正気を疑いました。

さらに問題があるのがルーシー(ジュリアン・ムーア)。いかにも浅ましく言い寄るタイプで、どう考えてもベニーが恋するとは思えません。
おまけに妹を心配するベニーが誘いを断ると、ルーシーは猛烈に怒って立ち去るのも感心しません。本当に相手を思う優しい女性なら、あんな態度はとりません。

ベニーとルーシーのカップルは違和感だらけで、無理矢理な感じです。年増の女が男の子を誘ってる感じなので、もうちょっと純情な描き方ができなかったのか、残念😿

サムとジューン(メアリ・スチュアート・マスターソン)の奇人変人カップルは、まあ、こんなものでしょう。

音声解説を聞くと、この構成の悪さは監督に原因がありそうです。
どのシーンでも、どの設定でも何十回となくコロコロ変える監督で、これじゃまともな映画は作れないでしょう😓
ベニーの職業や性格などもコロコロ変えたようで、そのせいかエイダンも普段よりやや演じにくそうに見えます。

個人的に好きなのは、少し機嫌がよくなったジューンが新しい金魚をベニーのために買ってくるシーン🐟目を輝かせて喜ぶエイダンの表情が素敵です💗

長々と書きましたが、日本で手に入るエイダン・クインの主演映画は数少ないし、少々窮屈そうに見えるとはいえ、彼の魅力の一端に触れるにはオススメの作品です♬