ラスト・シーン、ニコラス・ケイジの、これしかないという、気色悪いんだか、何がなんだか分からない笑顔。チャーリーが途中、これは陳腐だ、とか、そんな風にはしたくない、みたいに語っていた展開をすべて踏んでいくなかで、それはそれですごく面白くなっていくということ。「映画」、「脚本」という概念、自虐と、観客に対する圧倒的な軽蔑。それがニコラス・ケイジの笑顔には詰まっている。そこには、カート・コバーンが「Here we are now, entertain us」と歌う時のような、パンキッシュさを感じる。
『エターナル・サンシャイン』や『脳内ニューヨーク』にはないある種の無邪気さを感じる傑作だと思う。