mf

家庭のmfのネタバレレビュー・内容・結末

家庭(1970年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アントワーヌドワネル君の冒険五作のうちのダイヤモンドが砕ける第四部、家庭。クリスティーヌとの結婚から、出産を経ての浮気、からの家庭崩壊を描く。
街で買い物をしている嫁、クリスティーヌ。マドモワゼルと声を掛けられてもマダムよと訂正をする。妻であることに喜びを感じているようだ。花屋で勤めるアントワーヌ。花の人工着色に勤しむ毎日だが、クビなり、アメリカ企業が出資するヌルい水力研究所に就職する。彼は自伝小説を執筆している。愛する子供も授かった。子供の名前で嫁と揉め、夫婦の関係にヒビが入り始める。嫁は小説に理解も示さない。
ある日、研究所に見学しに来た日本人社長令嬢キョウコと知り合い、浮気をする。彼女がメッセージを認めた花束をアントワーヌは家に入れてしまい嫁に浮気がバレる。その後もアントワーヌはキョウコと逢瀬を重ねるが、食生活や文化の違いからキョウコを受け入れることが出来なくなり、終いには不倫相手との逢瀬の最中に嫁に電話で愚痴る始末。キョウコとの食事中何度も電話で席を立つアントワーヌに見兼ねたキョウコは必殺迷言、ゴダールもジュリーも真っ青「勝手にしやがれ」と置き手紙を残し、アントワーヌの元を去る。
アントワーヌ「君は可愛い妹で、娘で、そして母だ」クリスティーヌ「妻にもなりたかったわ」…二人の夫婦の今後は如何に。最終章第五部、黄金の風こと逃げ去る恋に続く。

日本人女性を演じたのは松本弘子、日本人にして初のパリコレモデル、東洋のヒロコと呼ばれた。今見ても妖艶な美しさで作品の、乃至はフランス人から見たエキゾチシズムを巧みに描くことが出来ていると思う。とは言ってもかなり偏りのある作品中のジャポニスムが笑える。
ちょいちょい小ネタを挟んでくるあたり、トリュフォーの茶目っ気を感じられる作品。肩肘張らず観られる。
mf

mf