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リリイ・シュシュのすべてののすのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.7
言葉はいらない。もっと私の感受性が強かったらと思った。永遠に続いていく田園風景が彼らの心を光の中に自ら閉じ込めているようで美しくて絶望的だった。繊細な彼ら彼女らがぐちゃぐちゃに傷ついてその心を癒す薬が音楽であり、残酷なそのかすかな安らぎに陶酔しゆくことが希望に見える。多分忘れてしまった心の奥底にしまってあるなにかに重くすーっと染みてきて悲しかった。これはこの世に存在する誰がの痛みであり、叫びだ。そしてあるいは、そこにある死は絶望ではない。岩井俊二エッセンス。
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