ShinMakita

白と黒のShinMakitaのレビュー・感想・評価

白と黒(1963年製作の映画)
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俺基準スコア:3.0
☆Filmarks基準スコア:4.0



…なるほどね。君も僕もバカだよ。しかしねぇ、バカな方がいいよ。なんだかわからんが、バカなほうが…





弁護士・浜野は、城南弁護士会長・宗方の妻、靖江と不倫関係にあった。しかし仲が拗れてある夜の9時過ぎ、宗方邸で靖江を絞殺してしまった。宗方も家政婦も留守のため、誰にも見られず浜野は逃走する。

宗方靖江殺害事件は、午後10時すぎ家政婦が帰宅して露見。そしてすぐに犯人が逮捕されて解決を見た。現場から逃げた男・脇田がパトロール警官に捕まったのだ。脇田の上着からは靖江の部屋から消えた宝石が出ており、しかも彼には強盗の前科があった。地検検事・落合は楽勝の事案とタカを括って取り調べるが、当初脇田は宝石窃盗を認めるも殺人は否認。だが数日後、綺麗さっぱり殺人を認めるのだった。

裁判では、死刑反対論者の宗方が弁護に当たることになり、浜野もその補佐につく。接見でも殺人を認め続ける脇田の姿に安堵していた浜野だったが、無実の人間が死刑になることに罪悪感も抱いていた。複雑な思いから、飲みの席でつい落合と口論になってしまう浜野。その様子に疑問を抱いた落合は……



「白と黒」



「狙撃」の堀川監督と橋本忍のタッグ作で、テンポ良い会話…それも上手い俳優たちのセリフ回しが心地よくグイグイ引き込まれていくサスペンス。検事のジレンマ…犯人の無実を証明することは己のキャリアを潰すことになる…というのがドラマ的面白さ。そして列車の音がうるさい部屋で小林桂樹が延々と長セリフで仲代達也へ詰め寄るシーンに橋本忍イズムを感じました。

そしてラスト15分。全てがひっくり返る大オチが待っています。てっきり家政婦・菅井きんが真犯人だと思ったんだがなぁ^_^
しかしこのコロコロひっくり返るハナシこそがタイトルの所以。いやぁ面白かった。
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