60年代のレトロファッションが光る、チェコのガールズミュージカル映画！

「プラハの春」時代、カラフルな衣装と軽快な音楽にあわせ、可愛らしい女の子が、燃えるような恋愛とロストバージンに憧れ、歌いながらも恋愛をしていく青春作品。2001年制作とは思えないくらい、60年代の様子を細かく表現している。

1968年初夏のチェコが舞台。後に「プラハの春」と呼ばれる時代に生きる若者を描いた青春群青劇。高校卒業を目前に控えた女の子３人組。燃えるような恋愛に憧れる中、町中で格好良い男性とよく会うようになり、段々心引かれていく、という物語。

キュートな世界観に合わせて、色々な音楽を奏でるが、最後のソング「人はいつ気付くのだろう」という歌詞のソングがとても耳に残る。戦乱前の、どこか物悲しい当時の様子が反映された作品。

ファッション好きにも、歴史ものが好きな人にもオススメ。

• #音楽好きもブチ上がる映画!

チェコ（旧チェコスロヴァキア）時代は60年代、プラハ動乱（チェコ事件）と言うソ連が率いるワルシャワ条約機構の軍隊による侵攻前の「プラハの春」を謳歌中。ポップカルチャーや映画文化が広がり、レトロポップな装いが過激になっていた時代。高校卒業前のテレザ、ブギナ、ユルチャはワルシャワ条約機構軍隊を脱走して、アメリカ亡命を夢見る3人の少年、シモン、ボブ、エマンと出会う。もちろん脱走してることは知らず、教会の修繕に来た、修復工だと思っていた。同級生の男子から言い寄られるも、やはり大人の男に惹かれる彼女達、話題はロストバージンだ。無事卒業試験にパスした彼女達はシモン達とパーティを開き、一夜を一緒に過ごす。しかし翌朝国境越えできる列車が汽笛を鳴らしているのを聞き、三人は荷物をまとめて列車に乗り込もうとするが、間に合わず、脱走してきたことが彼女達にばれてしまう。

時はプラハの春を迎えているだけあって、とにかくレトロポップな服装や、色使いがきらびやかだ。それの合わせる時折挿入されるミュージカル。小物や空間をうまく使い、色のコントラストや色に色を合わせるおもちゃ箱のような夢の世界が広がる。音楽のチョイスも挿入のタイミングも非常によく、開放的で、どこまでも無限に広がる青春時代の可能性を感じさせる、映像美の数々にうっとりさせられる。

束の間の青春時代に比例する束の間のプラハの春を、ふんだんなポップな映像と音楽で夢空間を作り上げ、一気に現実に戻る。対比する色のない世界があるからこそ、そこまでのきらびやかな世界がより美しく見える。幸せな時間はやはり一瞬で、はかなく消え去る。だからこそその想いではいつまでもキラキラと心の中で輝くのだ。

このカラフルで明るいジャケ写といい前半は『ロシュフォールの恋人たち』みたいな映画だと思ってました。違った。
プラハの春の下、つかの間の青春。
主人公の女の子とは別に、彼女に最初からウザがられてたオルダもまた主人公だったんだろ。彼が最後まで気になりました。彼はあの後どうなったのか。主人公より気になる。
わたしはこんな華やかなことなど何もなかった青春だけど、何もなかっただけ幸せだったんだなー。