レインウォッチャー

クロノスのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

クロノス(1992年製作の映画)
3.0
ギレ・ルモ・デル・トロのファン・トム・ブラッ・ド、って口ずさむと、とっても語感バイブスが良い。(有意義な週末)

骨董屋のお爺が偶然手に入れた古代の宝物「クロノス」のパワーで不死の体に。血を求めるようになり、エンバーミング後でも甦っちゃうぞ。
どちらかといえば哀しさや虚しさにフォーカス。クロノスのギミック含めここまでそのまんま石仮面なら、「わしは人間をやめるぞ!孫よーーッ!!」くらいの思い切りがほしかったし、対するロン・パールマンにはズームパンチで戦ってほしかった。

デルトロ先生の最初期作、後の諸名作群を考えるともう一ひねり・二押し・三こすりくらいあって良かった気もするけれど、肉体が変質していくボディホラー的な側面と、それに説得力を与えるキモ痛オモシロいビジュアル力はこの頃から流石のお手前だった。

全編に流れる物悲しい音楽が良い。メキシコ時代らしく郷愁を誘うメロディに、マリンバがひと振りのファンタジック味を足している。