ダンクシー

アメイジング・スパイダーマンのダンクシーのレビュー・感想・評価

3.5
「もう遅れません。約束します」
「守れない約束はしないで」
「守れないときもある」

監督はマーク・ウェブ。コチラは原作通りに、糸は腕から出るのではなく機械から出る。にしてもエマ・ストーン可愛すぎるなぁ。眼福ですわ!

スパイダーマンになるきっかけがピーターの父と大きく絡んでいるのが本シリーズの特徴。
今作のヒロインはグウェン。ピーターと近くの席で、オズコープ社でコナーズ博士の元で実習しており、たまたまピーターと会う。更にグウェンの父親は警察のお偉いさんなのだ。お分かりいただけただろうか…?この設定、あまりにも出来すぎているのである…!都合が良すぎるのである…!あの冴えないピーターの物語とは全く違うのです。

全体的に、スピード感はあったもののその分明らかに描き足りてない要素が多すぎたかなぁ。
ベン伯父さんの死があまりにも意味がなくないか??原作通りに描いただけで、あまりにも弱すぎる。死からスパイダーマンが誕生するはずなのに、今回のピーターの悲しみ具合が控えめだったなぁ。一応終盤にベン伯父さんのそれらしきセリフが登場するんだけど、オマケって感じ。
サム・ライミ版との圧倒的な違いは、人間ドラマの描き込み具合だ。サム・ライミのは、ベン伯父さんの死と言葉こそがスパイダーマンを形成し、物語の根底にあって軸となっていた。人の死を乗り越えて成長し強くなっていた。このドラマの濃さが、アメイジングシリーズには無い。ピーターの葛藤もサム・ライミ版と比べたらあまりにも浅い。当時批判されたのも、これが大きいのではないだろうか。
それと、グウェンのお父さんとの約束を破るのはいいんだけど、2人とも笑顔だったのがなんとも言い難いよねぇ。

「困難が人の運命を決める。どんな人間になるかを。偉大な人間になるとしたらそれはお前だ。お前は才能を授かった。それをどう使うかは考えろ。その結果何が起きようと私たちはお前の味方だ。だから家に戻れ 私のヒーロー」

スパイダーマンは正義の使者ではなく犯罪者の悪党として警察から追われることになるのだが、この辺はリアルで良かったと思う。正義は一体何なのか、考えさせられるし。過去に助けた人々が味方になってピンチの時に協力してくれるあの感じ、感動しちゃったなぁ。スパイダーマンってこれだよね、市民の心をも動かすヒーロー。
リザードもヴィランすぎて見応えあった。まぁもっと暴れても良かったんじゃないかなぁと思ったけども。
自分の夢が叶った時・失くしたものを手に入れた時、それが吉と出るか凶と出るか。誰しもがどちらへ転んでもおかしくない。だからこそ、リザードの凶暴化になる設定が陳腐というか、雑すぎるように感じた。体が馴染めずに凶暴化します、って投げやりすぎるよなぁ。説得力がもっと欲しかった。職を失って不完全な薬を打つという流れは同情したし可哀想だったけども。

ただ、普通に面白かった!!誰が観てもいつ観ても楽しめる作品だから素晴らしいよね!アメイジング・スパイダーマンも好きだよ。グルグル回りながらリザードを拘束するところとか最高すぎたし。

あと、またスタンリー出てるやん!もうええて、爺さん!!
ダンクシー

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