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ワールド・アパートメント・ホラーのmitakosamaのレビュー・感想・評価

2.7
今敏の原作を大友克洋による超・超低予算な実写映画化。押井といい庵野といい、なんでアニメの大御所監督はこういう実写を撮りたがるんだろうね?(笑)

90年代のバブル期の日本。外国人労働者が住むボロアパートを地上げで立ち退き要請に来たヤクザが、そのアパートの霊に取り憑かれるというホラーテイストのコメディ。

主役のチンピラヤクザ・一太に田中博樹って…後のSUBU監督やね。
更にその弟分で出川哲朗が出てる!もう痩せててホッソ細!

地上げ屋の一太がアパートに乗り込んで、外国人を怒鳴り散らすが暖簾に腕押し。それは良いが、地上げに来てそのアパートの1室に住んでるんだよな。それがそもそもオカシイんだけど(笑)

バブル期の日本なので出稼ぎ労働者のアジア人を見下す日本人を滅茶苦茶に皮肉ってる。「日本人はアジア人じゃねぇ!白人だ!」のネタが特にそうだね。
実は自殺した外国人女性の呪いがかかっているアパート。トイレの壁紙の中に描いてあったバリの神様風の絵。
ホラーとしては一切恐怖感は無いが、演出的に当時の影響力を考えたらクローネンバーグを参考にしたのかな?
クライマックスの一太が除霊されて殴り込んで来た他のヤクザを止めるくだりは、テンポの良いドタバタが面白いが、全体的には…うーんな出来。低予算映画を楽しめる度量があれば是非。
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