HAYATO

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのHAYATOのレビュー・感想・評価

3.4
2024年78本目
押井守監督による日本アニメ史に残る傑作
高橋留美子原作のテレビアニメ『うる星やつら』の劇場版アニメシリーズ第2弾
学園祭を翌日に控えた友引高校は大忙し。ある時、同じ1日を延々と繰り返していることに気づいた教師たちは、原因を究明しようと皆を下校させるが、無事帰り着けたのはあたるとラムだけ。真相究明委員会を設立したあたる達がハリアーに乗り込み、上空から街を見下ろすと、なんと友引町だけが巨大なカメの上に存在していたことが判明!
アニメシリーズも劇場版も全く見たことないけど、有名な作品なのでいつか見てみようと思っていた。
後世の作品やクリエイターに多大な影響を与えたのにも関わらず、当時興行収入がパッとしなかったのは意外に感じる。
原作の世界観を大きく逸脱し、高橋留美子先生の逆鱗に触れたとも言われる押井監督ワールド全開の本作は、奇妙で幻想的な作風とユーモラスなドタバタ劇が非常に魅力的。
序盤から「違和感」を抱かせる描写が散りばめられていて、その謎めいた雰囲気はクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』に通じる。彼が本作を見たことがあるのかとても気になるところ。
登場人物が「同じ1日を繰り返している」ことが明らかになって、違和感が確信に変わった時、もしかしたら自分たちの生きている現実世界も虚構の世界なのではないかと不気味な想像を膨らませたくなる。
個人的に高校生の時「文化祭の前の日」が1番好きだったので、あんなに楽しい時間が繰り返されるなんてちょっとばかし羨ましい。
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