浅野公喜

ミリィ/少年は空を飛んだの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ミリィ/少年は空を飛んだ(1985年製作の映画)
3.6
父親を亡くした少女が自閉症の少年に出逢うストーリー。
その少年エリックを少女ミリィが面倒見るのですが、ろくに喋れないキャッチボールも出来ない彼をヘレン・ケラーのサリバン先生とまで行かなくても手厚く指導する姿は母性に溢れており、フィクションだからこそ出来過ぎたキャラなのかもしれませんが心打たれるものがありました。エリックもそんな彼女に対しての恩返しと言わんばかりに一緒に空を飛び、やがてちょっとした問題を抱えていたミリィや家族達に良い影響を与え、切ないながらも爽やかな後味が残る終わり方は好印象。「信じる事で夢は叶う」的なテーマは引き寄せを思い出してしまいますが、なんかこのピュアな感じが80年代映画の魅力の一つかもしれませんね。

飛行シーンは一部合成ぽい所は有っても余り違和感のないものとなっており完成度は割と高め。ミリィ演じたルーシー・ディーキンズは普通っぽさも有りながらどこか魅力的な感じで、弟は子役で有名なフレッド・サベージ、エリックの伯父は「ペットセメタリー」や「いとこのビニー」にも出てたフレッド・グウィンとキャストも豪華。中盤ミリィが観ているテレビに映るPVには監督のニック・キャッスルと何故かジョン・カーペンター監督とその彼との仕事で有名なトミー・リー・ウォレス監督が映ってるみたいです。

所々で活躍してくれるワンちゃんは「ヒドゥン(エイリアンに乗っ取られてました)」や「エルム街の悪夢4」等にも出演しており、80年代中盤から後半にかけてそこそこ売れっ子の犬だったみたいです。
浅野公喜

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