浅野公喜

のぞき魔!バッド・ロナルド/十代の異常な欲望の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
オタク少年が自分を馬鹿にしてきた少女をあやまって殺害。母親は隠し部屋に彼を匿うも死亡、その後ある家族が引っ越してきて・・という「パラサイト 半地下の家族」あるいはゲイリー・ビジーの「ザ・ハウス/屋根裏の悪魔」より遥か前に作られたサスペンス。

妄想癖こそあるものの、タイトルから連想されるほど少年はサイコ度も変態度も高くなく、家族が居ない間は食料を盗んだり娘の日記を覗こうとする程度。しかし無駄に凝った絵を壁に描いたり、彼の存在に気付いてショック死する覗き魔のお婆さん(こっちの方が少年より不気味かも)、「ママー、ママー」と囁く物置に吊るされた気味悪い赤ちゃん人形と、癖の強い要素で構成された内容はテレビ映画故1時間弱ながら物足りなさを感じさせません。

覗き穴から光が漏れてたことで目と目が合ってしまう終盤も想定内ながらショッキング。引っ越して来た家族の三姉妹の一人はどこかで見た顔だなと思ったら「ビバリーヒルズ・コップ」のリサ・アイルバッハーでした。
浅野公喜

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