久保田靖史

日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声の久保田靖史のレビュー・感想・評価

4.0
 戦後初の戦争(反戦)映画として知られてます。この時代特有の日本語台詞がはっきり聞き取れないという問題はありますが、なにせ敗戦後僅か5年後に作られたという事もあり、実際に戦場を体験したリアルな目での描写に引き込まれます。
 舞台は戦争末期のビルマ・インパール戦線。イギリス🇬🇧軍の「日本の兵隊さん、降伏して下さい」というアナウンスが聞こえる中、日本軍は最低の状況にあります。ここに及んで日本兵士の敵はイギリスではなくむしろ自軍の上官達で、弱って行軍出来ない者は自決用手榴弾を渡して置き去りにし、部隊が全滅しそうになると我先に逃げ出すのです。78年経過した今、これと似たような事がこの日本で繰り返されかねないなあと思ってしまいます。
元東京帝大教授の二等兵がモンテーニュを引用し戦争を語るシーンがありますが、それよりは腹が減ったので皆で上官の馬を食べちゃう元共産革命の闘士にシンパシーを感じます。
「あんたらいいもん食ってるだろう!」
久保田靖史

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